マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

アニメ「幼女戦記」第2話軍事考察(2)

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 ノルデンコントロール
「現刻よりデグチャレフ准尉は少尉に任ず」

 士官学校卒業を前にした現場での実地研修で北方方面軍へ来たターニャは哨戒研修中に実戦へ出る事になります。
 そこで階級が上がります。これはどんな意味なのか?
 あの時点ではまだ士官学校卒業前なのでまだ士官ではありません。しかし将来の士官なので准尉と言う士官に近い立場に置かれています。
 この准尉と言う階級は兵士が士官学校を出ず能力と戦功によって得られる最高位の階級である。旧日本軍では特務士官や特務将校と呼ばれる存在がそれである。戦艦大和で主砲全ての狙いを定める役目をしていたのも腕を買われて特務少尉の位にあった。
 だが士官になる人の場合は違う。准尉はあくまで通過点だ。士官学校を卒業したら士官候補生として一応少尉の位になります。
 ターニャがいきなり正式の士官にされたのは前線任務に就かせる為だからだろう。
 とはいえ士官学校卒業をしていない者を戦わせるのだから無茶振りに違いない。ターニャは指揮する部下を与えられていないので規則と言うよりは単独任務に就かせる景気づけの意味があるのかもしれない。(と推測する)
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 〇ノルデンコントロール
「これより基準砲による修正射を行う。観測を密にせよ」

 少尉になったターニャに与えられた任務は観測である。
 空から地上にある敵の動きを監視し、砲兵の射撃を観測している。
 この場面で越境した協商連合軍に対して帝国軍は砲兵による射撃を行う。その時にノルデンコントロールは「基準砲による射撃を観測せよ」とターニャに命じている。
 基準砲とは砲兵隊が全体で射撃する時に大砲の方向と角度を合わせる基準とする砲の事だ。
 ターニャは基準砲が撃った砲弾がどこへ命中したか見て修正の必要があるか砲兵隊全体で射撃する「効力射」に段階を移すべきか報告する。
 ターニャは基準砲が命中させた位置を「公算誤差は10以内」と報告している。
 これは目標に対して10m以内に命中したと言っている。この場合はほとんど目標に当てたと判断できる誤差の許容範囲だ。
 なのでターニャは効力射に移るよう報告している。
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 もしも目標に対して10m以上の場合は目標から左右または前後のズレ方によるが、右に10mズレていたら「修正、左へ10」となる。目標より10m前の位置に着弾した場合は「修正、増せ10」となる。逆に目標を10m飛び越えた場合は「修正、下げ10」となる。
 長距離を砲撃する砲兵は目標が見えて射撃している訳では無い。なので観測の情報はまさに砲兵の視野そのもので大事なものだ。
 もしも観測が情報を送らなければ正確な射撃は不可能だ。それは砲撃を受ける側からすれば観測を倒せば敵の砲撃の威力が弱まる事を意味する。その意味で協商連合軍の航空魔道士は砲兵を直接叩くのでは無く観測任務を行うターニャを狙ったのです。

 参考資料
・「武器と爆薬‐悪夢のメカニズム図鑑‐」