マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

怪人・人造人間が出現!その時現代日本は?(1)

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特撮作品の「仮面ライダー」のような怪人が現代の日本に現れた場合は政府や治安当局はどう動くかシミュレーションしてみます。
(ちなみに私はあまり仮面ライダーに詳しくない)
 
○怪人渋谷に現る!
 (想定状況)
 平成2X年の東京は渋谷に奇妙なモノが現れた。
 二足で立つ身体は人間に見える。でも表面を覆う姿は何かの動物を合体させたような奇妙な姿だ。
 道行く誰もが「変なコスプレをしている変人」という目でしか見ていない。
 その怪人は笑う周囲へ己の力を使い破壊や殺戮を始めた。
 突如現れた怪人は無差別に通行人を襲い更には周囲の建物も破壊している。


○警察VS怪人
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(警察の銃器対策部隊、テロ事件への対応からMP-5短機関銃を装備している)
 怪人が暴れているのを目撃した通行人から複数の通報が警視庁に届く。
 通報から警視庁は渋谷署に事件発生を連絡し、渋谷署から現場に近い警官へ急行を命じる。
 この時点での対応は通り魔による犯行となります。
 現場付近の派出所や警邏中のパトカーから急行する警察官がまず怪人と対峙する。
 警視庁からの連絡では「通行人が通り魔らしき者に襲われている」と言う内容だった。
 いとも簡単にバスや大型トラックも破壊する怪人だがまだ通り魔の扱いである。
 装備は普段から身に付けている警棒と拳銃に加えて犯人を押さえ込む刺又(さすまた)を持って怪人の逮捕に警官達は向かう。
 だが怪人を逮捕できなかった。
 警官が複数で怪人を取り押さえようとするが怪人によって赤子の手ををひねるように軽く振り払われる。
 刺又で怪人を押さえ込もうとしても刺又をへし折られてしまう。
 拳銃を警官が取り出し威嚇発砲による警告から正当防衛射撃で怪人に銃弾を当てるが皮膚で弾かれてしまう。
 逆に警官が怪人によって死傷者が出てしまう。 
 警視庁は急行させた警官がお手上げになるとERT(緊急時対応部隊)を出動させる。
 ERTは銃器対策部隊から選抜された隊員で編成された対テロの即応部隊だ。対応は「通り魔」の犯行から「テロリスト」による犯行に変わる。
 警官に死傷者が出た事と拳銃を使っても効果がない事から逮捕を前提とした身柄の確保から射殺もやむなしの対応に切り替える。
 現場に急行したERTMP-5短機関銃で怪人の鎮圧をしようとするが効かない。逆にERTの隊員が怪人により倒されてしまう。
 ERTが返り討ちにされると今度は銃器対策部隊の狙撃班が怪人に射撃をする。
 足を狙って撃つがまたしても怪人の皮膚に銃弾は弾かれる。頭部を狙っても同じだ。
 残る強力な部隊は特殊部隊であるSATSITしかない。
 格闘や射撃の能力では警官の中でも抜きんでている。しかし怪人には通用するのか?
 火力で最大はMPー5短機関銃M1500狙撃銃ぐらいしかない。
 銃器に限界がある警察はかつて学生運動の暴動の鎮圧に使った高圧ポンプによる放水や催涙弾を怪人に使う。
 遊撃放水車や高圧放水車に装備されている放水器からの高圧放水が怪人に放たれガス筒発射器からの催涙弾によってガスが撒かれる。
 しかし水と催涙ガスにまみれても怪人は平気だった。


○政府の対応
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 (平成21年度総合防災訓練で官邸危機管理センターを使い訓練する麻生内閣の閣僚、有事で政府首脳はこうして対応に乗り出すと思われる)

 警視庁と警察庁が万策尽きた時に東京都は都の公安委員会へ自衛隊の治安出動を要請する。
 警察が持てる能力を全て使っても怪人を逮捕も止める事ができないのを見た都知事による判断だった。
 治安出動の要請も災害派遣要請と同じく都道府県知事からの要請ができます。
 自衛隊法第81条「要請による治安出動」に基づいて要請ができるのです。要請は都道府県の公安委員会を通じて総理大臣に届きます。
 81条2項では知事の要請を受けた総理大臣が自衛隊を出す必要があると認めて出動の命令を総理大臣が出す流れになります。
 さて、ここで政府がどの段階から怪人騒動に関わるのか?
 政府には情報を常時確認している部署がある。
 それが内閣情報集約センターです。ここでは関係省庁・民間公共機関・マスコミ情報とあらゆる情報を集めています。
 怪人が出現して渋谷で暴れた時点で内閣情報集約センターは怪人について把握しています。
 警察への通報や負傷者の為に救急車を呼ぶ消防への通報に警視庁または警察庁からの連絡で把握すると思われます。
 そこから政府の対策本部である官邸危機管理センターがどう動くかになります。
 総理への報告をするに留める情報連絡室か政府が関わり関係省庁と連絡調整する官邸対策室のどちらにするか対応が分かれます。
 警察がすぐ逮捕して事態が治まると見たら情報連絡室か官邸連絡室に留まります。
 しかし警察がERTを出動させた時点で官邸対策室に改組すると思われます。
 警察が対テロ部隊を出動させた事で重大事件の大量殺傷型テロに分類して推移を見ていた怪人の騒動をテロ事件として扱うからです。
  官邸危機管理センターには緊急参集チームに指定された関係省庁の官僚達が集まります。首相官邸のサイトにある「大規模テロ等のおそれがある場合の政府の対処について」(平成13年11月2日閣議決定)によれば緊急参集する関係省庁は
警察庁防衛省消防庁法務省・外務省・厚生労働省国土交通省海上保安庁・その他本部長が必要と認める省庁
となっている。
政府は「重大テロ等発生時の政府の初動措置について」(平成10年4月10日閣議決定)に準ずる対策本部が総理大臣を本部長に発足します。
名前としては「重大テロ政府対策本部」となるかもしれません。
 東京都から治安出動の要請が出た時点で政府は有事の態勢になっていると言えます。
 (続く)