マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

輸送艦「おおすみ」見学 マリンフェスタ2016

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 護衛艦「いずも」に続き輸送艦おおすみ」の見学となった。
 海自の艦艇では災害派遣や破壊措置命令での輸送任務に訓練・演習の参加と忙しい艦である。
 ここでは海自の担当者が付き案内される事となった。こちらの担当は両肩にトランシーバーを付けた「おおすみ」広報担当の人であった。

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(「おおすみ」の車輌甲板、ここに戦車やトラックなどの車輌を収容する)
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(円状に仕切られた部分がターンテーブルで車輌の方向転換ができる)

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(「おおすみ」のランプドア、ここから車輌が艦内に入る)
 「おおすみ」へは右舷のランプドアと呼ばれる大きな車輌用出入り口から乗艦した。ランプドアから「おおすみ」のガレージや格納庫と言える第4甲板に入る。
 「おおすみ」型輸送艦はこの第4甲板にトラックや高機動車などの車輌なら27両が、90式戦車なら18両入るとされる。
 また「おおすみ」に乗った大きさでは限界の車輌は空自のパトリオットミサイルの車輌とのこと。長い為に艦内での方向転換が難しいそうだ。

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(「おおすみ」の前部にあるエレベーター ここに車輌やヘリを乗せ昇降する
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(艦橋後方にあるエレベーター)
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(「おおすみ」の中央部における第1甲板の風景)
 「おおすみ」型は平らな広い甲板を持つ姿から「空母みたいな輸送艦」と言う見方がされた艦である。この第1甲板と呼ばれるこの広い甲板は本来であれば車輌を停める為のスペースであり(38両停められる)甲板上に占める艦橋の度合いから見ても空母として使うには不適格な作りになっている。

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(「おおすみ」第1甲板の後部)

 だが「おおすみ」が航空機の運用ができない艦ではない。「おおすみ」の第1甲板後部にはヘリの発着ができる位置を示す白いマークがある。
 過去には2005年のインドネシア地震や2013年のフィリピンでの台風被害への国際緊急救援隊として「おおすみ」が出動した際には陸自のヘリを乗せて現地まで運び母艦の役目も果たしている。
 艦内を案内する隊員の方によればインドネシア派遣の際にはCH-47Jチヌークを2機乗せて出動した。この時は塩害防止でチヌークの機体はビニールで包み現地到着の時にビニールを取り払い、ローターなどを装着して準備をしていたそうだ。
 これはチヌークが30m以上もの長く大きな機体だからで、14mの長さである「おおすみ」のエレベーターでははみ出てしまうからだ。
 とはいえ2013年の「ドーンブリッツ2013」では「おおすみ」型2番艦である「しもきた」に米海兵隊のMV-22オスプレイが着艦し大型ヘリとの縁がある輸送艦である。
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 この「おおすみ」で人員330人、戦車18両または車輌65両と普通科中隊と戦車中隊を運べる能力がある。「おおすみ」型より前の「みうら」型輸送艦では74式戦車10両と隊員200人を運べるのと比べると「おおすみ」は拡充した能力を得ている。
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(「おおすみ」後部に収納されているエアクッション揚陸艇)

 「おおすみ」型が前の「みうら」型と違うのは「みうら」型が上陸地点へ艦ごと向かい浅瀬で艦首の大きな扉(門扉)を開いて部隊を上陸させていたが「おおすみ」型からはLCACと呼ばれるホバークラフトの仕組みで動くエアクッション揚陸艇に隊員や車輌を乗せて上陸地点へ向かうのである。「みうら」型より輸送艦が実戦で受ける危険が減る意味もあるがLCACが使える事で東日本大震災では満潮で冠水し瓦礫が広がっている沿岸部への侵入も出来ている。有事での行動の幅が広がっているのだ。

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(「おおすみ」と「いずも」の間に居たボートの海自の隊員、ダイビングスーツらしきものを着ているから水中の不審物への備えもしているのかな?)

 「おおすみ」の見学はこれで3回目だが自由に見て回っていたけど丁寧な案内を受けたのは今回が初めてであった。
 今回の申請しての見学は自衛隊への入隊を呼びかける勧誘の意味もあったそうで案内役や地方協力本部などの方々による熱意が高いと感じられた。
 10代や20代の見学者へは「是非とも入隊を!」と言う呼びかけが行われた。対して唯一の30代である俺へは「ご協力をお願いします」と言葉を頂く。
 こうしてブログで紹介する事で協力にばればと思う。