韓国からの邦人避難を自衛隊でどう行うのか?
韓国国内の世論に配慮したものと思われ実際に有事が起きた場合は日本政府の交渉によっては輸送機や輸送艦の韓国国内入国が認められるかもしれません。
しかし自衛隊による邦人保護の能力はどれほどのものか?
〇邦人保護任務の機材 輸送機
(航空自衛隊のC-130H輸送機)
(航空自衛隊C-2輸送機)
自衛隊が邦人保護を行う場合は輸送能力を持つ装備が使われます。
それが輸送機と輸送艦です。
輸送機は航空自衛隊のC-130やC-1・C-2の三種類48機があります。輸送できる寺院員は
C-130で64人から92人
C-1で36人から60人
C-2で110人
航空自衛隊のC-130が16機あり最大の92人をそれぞれ乗せたとして1472人運べます
C-1は26機あり最大の60人を乗せて1560人運べます。
C-2は昨年から部隊配備が始まったばかりであり5機あります。5機で最大110人を運ぶとして550人運べます。
この数字はそれぞれの種類の輸送機が全機出動して乗せられる最大数を書いたもので実際は整備中で飛べない機体もあり1度に全機出動はならない。
とはいえ手荷物を持つ邦人をC-130で1機あたり64人乗せ配備数の半分である8機で1度に運んだとしても512人を運べる。この輸送力は緊急時では貴重なものです。
〇邦人保護任務の機材 輸送艦
これだと3隻で990人の輸送能力となります。
しかし、「おおすみ」型の車輌を収容する車輌甲板も使うと1000人の収容が可能だと言われています。これで輸送能力は3隻で3000人と飛躍的に増えます。
またヘリコプターの母艦能力を持つ護衛艦「いずも」型は輸送能力があり陸自隊員を想定した数字だと400人運べます。「いずも」型も艦内の車輌輸送やヘリコプターの格納庫に邦人を収容した場合も1000人の輸送は可能と思われます。
「いずも」型は2隻あり2000人の輸送能力があり海自で輸送艦または輸送艦の能力がある艦で5000人が運べる事になりますが輸送機の場合と同じく補修点検をしている場合もあり3隻の輸送艦が揃って出動できるとは限りません。
また「いずも」型もヘリ母艦としてまたは海上の司令部として使う場合もありますので「いずも」型が邦人避難に使われるかは不明なところです。
〇もしも韓国からの邦人避難を自衛隊で行う場合は
それは自衛隊だけではなく邦人保護に動く他国軍も同じでしょう。
こういう態勢で韓国からの邦人避難が行われると思われます。
〇韓国からの邦人避難の問題
韓国に居る在韓邦人の人数は昨年度の外務省が出している統計では3万8060人とあります。
米軍が行う邦人避難の輸送機や輸送艦に便乗するのはあまり期待できない。基本的に自国民を優先して乗せるので同盟国と言えどすぐに乗せてくれる訳では無い。
自衛隊の不足を民間の航空機や船舶で埋めるにしても紛争地域となった韓国へ部下を送る事に運航会社が承諾するか問題がある。
演習での自衛隊輸送の仕事が多い「ナッチャンWorld」や「はくおう」を邦人保護任務の為に借り上げて使用する事は考えられる。その際に乗る船員は予備自衛官(予備自衛官補ともされている)扱いで船を運航する。
(「ナッチャンWorld」)
(「はくおう」)
運べる人数を乗客定員で見ると「ナッチャンWorld」は1700人で「はくおう」は500人であり車輌デッキを輸送艦同様に収容区画にした場合は「ナッチャンWorld」は2000人以上、「はくおう」も1000人以上の収容ができるかもしれない。
一番良いのは有事が起きる前に在韓邦人が避難する事だろう。だが現状でもいつ有事が起きるか、それとも起きないのか読めない。
3万8000人の避難はそのタイミングも難しく有事が起きてからでは遅いが早過ぎても韓国での企業活動など在韓邦人の生活もあるからだ。
日常から有事が起きる直前を正確に読んでの避難は不可能に近い。