マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

アニメ「幼女戦記」第12話軍事考察

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「自由共和国軍」

 共和国軍のドルーゴ将軍が南方大陸で自由共和国軍を結成して帝国軍に徹底抗戦する決意表明をしました。

 自由共和国軍は本国が帝国軍との戦争で失陥した為に共和国が持つ海外の領土を拠点にして戦いを始めました。

 この自由と名がつく共和国軍とはナニモノなのか?

 史実では第二次世界大戦でドイツの占領下になった欧州の国々の亡命政権の下に結成したものがあります。自由ポーランド軍自由フランス軍です。

 奪われた祖国を取り戻す為にドイツとの戦争を続けているイギリスを頼り武器弾薬・資金など必要な物を揃え志願者を集めて戦った軍隊です。

 自由フランス軍の場合を見てみよう。ドルーゴ将軍のモデルと思われるフランス陸軍准将であるシャルル・ド・ゴールはパリがドイツ軍の手に落ちた時にパリに亡命して自由フランスと称する亡命政権を打ち立てドイツとの戦争を続ける。

 ド・ルーゴは何も無い状況で自由フランスや自由フランス軍を結成しました。イギリスやアメリカに大きく頼る弱い立場ですがド・ゴールは尊大な態度でイギリスのチャーチル首相など連合国と渡り合う。

 それはイギリスまたはアメリカの保護下や指揮監督下に自由フランスが置かれないようにする為に対等な立場であると主張する態度が尊大に見えたのかもしれない。しかし連合国のド・ゴールへの評判は悪いままでした。

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 (ドルーゴ将軍のモデルとなったであろうシャルル・ド・ゴール

 それでもドイツと戦うフランスの代表として認めざる得なかった。自由フランスがドイツ占領下の地域で活動するレジスタンスとの繋がりもあって連合国側としてもド・ゴールの自由フランスと組まざる得ない事情がありました。

 「幼女戦記」のドルーゴは協商連合の生き残りや連合王国が合流して来るあたりを考えるとド・ゴールなような尊大さは無く協調性が高い人物なのかもしれない。

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ゼートゥアー

「我々は陸軍国家だ。海を渡った外征は戦力基板に相当な負荷を及ぼす。規模は最小限に留めねばならない」

 自由共和国軍を倒すべく帝国軍は南方大陸への派兵を決めます。

 しかしゼートゥアーは海を渡る遠征に難色を示します。

 それはゼートゥアー自身が語るように陸軍国であるが故です。それは帝国の軍備が陸軍主体であり海軍戦力など海の向こうへ戦力を送り込む力が帝国に足りないからでしょう。

 第7話では協商連合のオース・フィヨルドへ帝国軍は上陸作戦を行いますが協商連合の領土と帝国本土が比較的近く兵站が繋げる事もあり海軍力に不安がある帝国軍でも地理的に可能な作戦だったからです。

 しかし今度は帝国本土から遠く地中海に似た地形の海を渡っての南方大陸の派兵は帝国にとってはシーパワーの届き難い最果てでの作戦となるからゼートゥアーは派兵規模は最小限だと言ったのです。


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 参謀 

「派遣できたのは2個師団と支援部隊のみ」
 レルゲン

「わが軍は到着と同時に徹底した機動戦を展開、分散進撃して来る敵を各個撃破する計画です」

 南方大陸での作戦を開始する帝国軍

 しかし送り込んだ戦力は2個師団とターニャの大隊だけです。

 いかに強力なターニャの航空魔導大隊があっても中心となる戦力が2個師団では心許ない。参謀本部での作戦会議でも「自由共和国軍の警備部隊でも対応できる戦力」と少ない戦力だと言う台詞がある。

 数で劣勢な帝国軍が採用した作戦は機動戦です。つまり動き回って敵を叩くと言う作戦だ。

 機動戦は動き回る作戦なので徒歩の歩兵で行うのは厳しい。敵よりも速く動かなければならないからだ。

馬に乗り移動する騎兵か荒れた地形も機械の力で進む戦車でなければ素早く敵を各個撃破するのは無理だ。

 第10話ではドイツのⅢ号戦車のような高い機動力のある戦車が登場していたので第二次世界大戦のような機動戦はできるようだ。

 ターニャの大隊が空から攻撃し、2個師団が戦車などの機械化戦力で機動戦を行えば勝機はあるだろう。しかし結果は原作を読むかアニメ2期が放送されないと分からないけどね。

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 さて、帝国軍が南方大陸に送った2個師団と言う数字は第二次世界大戦でドイツが北アフリカ戦線に送った2装甲師団(戦車の師団)から来ているのかもしれない。

 ドイツ軍の2装甲師団ロンメル将軍のドイツアフリカ軍団の主力となって戦車の機動力を生かしイギリス軍を翻弄しました。

 しかし北アフリカ戦線は同盟軍のイタリア軍が戦線を張っていたからドイツ軍の2装甲師団が自由に動けたのであって機動戦を採用すれば少数戦力でも良いとは言えない。

 敵が回り込まないように各所を固める戦力も必要だ。

 2003年のイラク戦争では米軍が2個師団でイラクの首都バクダットまで一気に進んだけど同盟軍のイギリス軍がイラク南部を押さえていたからできた事と言える。