マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

ヴィオレット・エヴァーガーデン外伝を再鑑賞する。

 

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 ふと気まぐれに入ったGYOでレンタルDVDの棚にある「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」があったので借りる。
 昨年10月に日本原駐屯地の帰りに福山市福山駅前シネマモードで見て以来だ。
 初回は府中町のバルト11でと2回劇場で見ていたけど、やはり良い。
 なんと美しい作品だろう。
 改めて見るヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝について書きます。

 

 

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○作品の美しさ

 制作した京都アニメーションは絵の美しさで定評のある。
 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はテレビ本編でもとてつもない美しい完成度のある作品だった。
 今回の劇場版はテレビ本編を越える美しさがある。
 日光を浴びる場面のきらめき、夜の室内でランプの明かりに照らされている暖かな光、カラっと晴れた港町の光景どれもが美しい。
 色の美しさもあるが動きもすばらしい。
 髪の毛の柔らかさや何らかの所作をした時に身体と同時に動く着衣の動きも良い。
 例えば、イザベラが誤ってコップを転がし隣の席に座る貴族の娘に水をかけてしまった場面
 すかさず、かしづいてイザベラに代わり謝罪するヴァイオレット
 そのかしづく動作でヴァイオレットは腰を降ろす動作をする。
 その時に制服のリボンとスカートの裾が急な動作で揺れるのだ。他にも僅かに顔を動かす場面でも髪は動くし、キャラがしっかりと躍動している。それが繰り返し見ていても飽きないのだ。
 また本作の美しさは音楽を担当するエバン・コール氏の楽曲にもある。
 テレビ本編でも19世紀欧州のような世界観に合った素晴らしい楽曲ばかりだった。
 本作では貴族の娘の学校が舞台でもあるからよりクラシック調の曲が際立つ一方で、イザベラとテイラーの貧しくも穏やかな時間が和やかな曲でも彩られ、更には貴族の女子学校になじめないささくれ立つイザベラの心境も音楽で表している。
 イザベラがバイオレットに手紙を書いて貰う場面やベネディクトとテイラーが手紙を届ける為にバイクで行く場面から貴族の妻となったイザベラが館から出てくる場面
 そして終盤にかかる曲
 心にしんみり来て、盛り上がる。まさに映画音楽だ!
 音楽で言えばエンディングの芽原実里さんが歌う「エイミー」がすごく良い!
 ここまでしんみり心に響いた後で「エイミー」を聞くと余韻に浸るどころがより作品を見た心の揺さぶりが続いて感動が持続する。
 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の美しさとは総合力なのである。

 

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○イザベラ

 本作のゲストキャラであるイザベラ・ヨーク
 この記事では特に彼女を推したい。
 私を知る人は「眼鏡っ娘だからだな」と納得されるでしょう。もちろん、その通りです。
 しかしイザベラの魅力は眼鏡をかけている以上もあるのだ。
 イザベラは貴族の娘である事を恨むような考えを持っていた。
 それは嫁ぐ為に貴族の淑女として育てられる女学校を牢獄だと思うように。
 それはヴィオレットに対しても「どこへでも自由に行ける」と自由への渇望からヴィオレットに対して冷たく当たる。
 しかし、戦争で腕を失い孤児でもあるヴァイオレットの境遇とイザベラへの献身さからイザベラはヴァイオレットに心を開くようになる。
 そこから互いを友人として心を通わせる二人がそれまでの不器用な関係から見ていて快感と言えるものです。
 牢獄だと思っていた学園生活で生き生きと過ごすようになるイザベラ
 しかし、ヴァイオレットが授業をサボろうとするイザベラを窘めるように言った「何処へも行けませんよ」が浮かれるイザベラに自分の置かれた境遇を再認識させます。
 そしてレビタントの当日、着飾り踊るイザベラとヴァイオレット
 幸せの絶頂の場面からふとした瞬間にイザベラは夢の時間が終わりなのだとも悟る。
 この歓喜と諦観の緩慢が台詞のない心の動きを表していて帰るヴァイオレットとイザベラの別れの場面での切なさを増します。
 昔のイザベラもまたテイラーとの関わり方で泣けるエピソードがあります。
 眼鏡っ娘な外見だけじゃない深い味のあるキャラでより好きになったキャラクターですねイザベラは。

 

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 2020年3月に見る「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」
 その完成度の高さに改めて感動すると共にこの美しさを作ったスタッフの何人かが亡くなった事に心が痛む。
 昨年の京都アニメーション放火事件で多くのスタッフが亡くなった。
 彼ら彼女らを悼む気持ちにもなった。
 しかし、京アニは今も来月に公開される「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の制作中だ。
 事件を乗り越えようとする京アニを応援したいとまた改めて思う鑑賞になった。