アニメ「幼女戦記」第8話軍事考察(1)
ヴァイス
「曳火砲撃用の時限信管だ。炸裂した砲弾の破片が雨のように降って来るぞ」
第8話のOP前の冒頭での戦闘シーンでヴァイス中尉がグランツ少尉へ注意する場面での台詞
曳火砲撃とは空中で砲弾を炸裂させる方法です。
(名称としては曳火射撃とも言われます)
空中で砲弾を炸裂させるので砲弾の破片と爆発の衝撃を地面に着弾させるよりも広範囲に広げられる効果があります。
いわゆる高射砲とは違います。高射砲の砲弾は高い高度を飛ぶ飛行機を目標に炸裂します。対して曳火砲撃は地面に近い低い高度で炸裂するからです。
曳火砲撃を行うのは歩兵や装甲の無い車輌など柔目標と呼ばれる目標に対してだからです。
地上に対する砲撃ですが空中で炸裂するので低空を飛ぶ航空魔導士がダメージを受ける危険があります。なのでヴァイスは注意をしたのです。
セレヴリャコーフ
「隣を代わってくださいますか?」
ヴァイス
「軍務上少尉とは交代はできんよ」
203大隊の中でセレヴリャコーフが一番ターニャとの付き合いが長いとヴァイスに言われてからの会話である。
セレヴリャコーフがターニャの副官としての役割をヴァイスに代わってくれるか尋ねてみるとヴァイスは「軍務上できない」と答えます。
この意味は何か?
セレヴリャコーフは第5話で見せたような事務処理や他部署との折衝が上手いターニャの副官です。
対してヴァイスは203大隊の第2中隊を預かる中隊長です。
また第8話では「次席指揮官のヴァイス中尉であります」とヴァイスは伝令に来た兵士へ告げるように大隊長の代理ができる次席指揮官でもあります。
これも副官みたいな役割とも言えますが中隊長として中隊の将兵をまとめる役目と中隊の戦闘指揮をする本来の任務があります。
そこへ大隊長代理を務め事務処理や部隊外との連絡や折衝をするのはハードワーク過ぎます。
またセレヴリャコーフに第2中隊の中隊長を任せてヴァイスがターニャの副官をやるにしてもセレヴリャコーフは少尉なので中隊長や大隊の次席指揮官ができないと言う意味もあります。
これは臨時の代行なので少尉でも中隊長に任命されたとは意味が違います。ターニャが戻って来たらすぐに第1中隊の指揮権を返すので中隊長になったとは違うのです。
あの会話での意味は互いの役職と適材適所についてなのです。