マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

アニメ「幼女戦記」第1話軍事考察(2)

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前回に引き続き、今度はターニャが居る前線の場面での考察です。

〇ターニャ
「我が軍に命令違反をする士官候補生は必要ない」

 主人公である幼女隊長のターニャ・デグレチャフ少尉は第1話で部下の士官候補生二人に怒ります。
 その訳は敵歩兵を攻撃中に士官候補生二人が勝手に砲兵隊へ目標を変えて攻撃したからです。
 ターニャは「これは命令だ!」と厳しく言って士官候補生を止めますが聞きません。なのでターニャは士官候補生を本国へ送還し部隊から追い出す処分をまず決めます。
 ではターニャの処分は妥当だったか?
 妥当であった。上官の命令を無視して勝手に別の行動をするのだから団体で動く軍隊ではありえない事だ。むしろ一般社会でも上司や先輩が止めても間違った作業を続ける人は厳しく責められるものです。
 もしも士官候補生の勝手な行動で味方に死傷者など損害を受けてしまった場合はより厳しい罰則になる。場合によっては銃殺される可能性もある。
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 第1話では勝手に士官候補生が動き回っただけでターニャの小隊に損害が無かったので部隊から追い出すに留めたのだ。
 しかし、本国送還の処置に士官候補生は二人とも不満を言いターニャの不興をより買ってしまいます。
 ちなみに士官候補生とは士官学校を卒業した軍人の見習いである。部隊に配属して軍隊での実地を体験して習う身分である。なので「今が好機です」なんて言って勝手に目標を変えて動くのは上官であるターニャからすれば「10年早い」と言う心境だったであろう。
 正規の士官であれば「目標を変えて攻撃してもいいか?」と提案と許可を求める事はできます。士官候補生は見習いなのでそんな提案も許可を求めるなんてできません。なのでターニャは作戦方針に反した以上に怒ったとのだろうと思われる。

○ターニャ
「トーチカは砲兵の格好の標的だ」

 余計にターニャを怒らせた士官候補生は前線後方のトーチカに配属となります。しかし、第1話の終盤で二人は敵軍の砲撃でトーチカで戦死となってしまう。
 ターニャはトーチカが狙われやすい目標であり士官候補生が戦死する事を承知していたとして非情な性格を表す場面になっている。
 ではトーチカとはナニモノか?
 コンクリートで小屋のようなものを作り銃や大砲を出すまたは外を覗ける程度の小さい窓を設けた防御施設だ。
 トーチカは銃撃や砲撃に耐えて中に居る兵士が無傷で居て射撃する施設だ。基本的に砲撃にも耐えられる作りになっているがいつまでも耐えられるものではない。
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第一次世界大戦でドイツ軍の砲撃で破壊されたベルギーのリエージュ要塞の画像、ここまで壊されたのは巨砲である30.5センチ臼砲を使用したからでもある)

 攻撃する側はトーチカがあっては歩兵に損害が出るので何としても潰したい。なので砲撃による打撃を与え続けトーチカを損傷させる。つまり叩き続けて亀裂など作りトーチカを少しづつ壊すのだ。
 砲撃する榴弾砲なりカノン砲なり列車砲など大砲の種類は様々にあり砲の大きさと砲弾の炸薬量などによるが砲と砲弾に威力がトーチカに直接ぶつかるダメージで崩す事もできる。また砲弾は信管の調整で地面に落下してもすぐに爆発せずある程度後に爆発する遅発と言う方法もある。
 この遅発による爆発は砲弾が発射されたスピードを持ったまま地面から地中へ突き進む効果を生かしたものだ。上手く行けばトーチカの下から突き上げる爆発で打撃を与えられる。
 トーチカも無敵では無いのだ。