マサカズ雑記帳

ミリタリーやアニメなどについて思った事や行った所について書いていきます。

アニメ「幼女戦記」第5話軍事考察

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ターニャ

「たかが3個師団ごときで緊張とはライン帰りとはとても思えん」

セレブリャコーフ

「少佐殿、その3個師団ですよ」

 ターニャがたかがと言う3個師団は5万人以上の兵力である。

 1個師団が1万人から2万人の部隊で師団は戦略上の最小単位なんて言われている。

 ちなみに師団と言っても我が国の陸上自衛隊での師団は6000人から9000人で編成されているので時代や国ごとでは一概に万単位の人数とはいえないけれど。

 セレブリャコーフが3個師団を恐れるのにターニャは恐れないのは戦力価値を比較してだろう。

 ターニャは高い機動力と火力の魔導士と数で押すだけのダキア軍の古い歩兵師団を比べて戦力価値を見い出している。

 ターニャの見立ては転生する前の人事部での経験からだろう。師団戦力でも魔導士大隊に少しの打撃も与えられないのだからターニャは師団の価値が無い「暴徒や群衆」と再定義したのだ。

 

ターニャ

「馬鹿な時代錯誤にもほどがある。騎兵の時代ではないぞ」

 方陣は菱形の陣形を組んで射撃する戦列歩兵の陣形である。

 密集隊形で密度の高い銃撃をすると共に自由に動き回る騎兵にどの方向から襲撃されても銃撃ができるように菱形の陣形を組むのである。

 だが歩兵が密集しての陣形は大砲の砲撃や機関銃の銃撃の前では一撃で大損害を受けてしまう。

 実例では第一次世界大戦では密集した歩兵の集団が機関銃の射撃で突撃を阻止される状況が発生した。

 第一次世界大戦第二次世界大戦の間ぐらいの技術である「幼女戦記」の世界ではまさに密集隊形で小銃を歩兵が撃つダキア軍は時代遅れや時代錯誤なのだ。

 

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ターニャ

「我々は戦時国際法を無視する野蛮な集団ではないのだぞ」

 戦時国際法は実際の世界ではハーグ陸戦条約やジュネーブ条約などがそれである。捕虜の扱いや使用する武器・攻撃して良い場合などが定められている。

 もちろん日本もハーグ条約を1899年にジュネーブ条約1953年に締結している。

 戦時国際法はその条約を結んだ国が守る事を求めている。

 内容は軍人だと分かるように制服を着て所属を示すマークがあるようにせよ、武器を隠さず見えるように持つようにと定めたり、医療関係者を攻撃してはいけないなどを決めている。

 第5話の終盤での都市の軍需工場を攻撃する場面で戦時国際法の観点から問題なのは軍需工場が都市の中にあり民間人が多数居た事です。この場合は攻撃目標から非戦闘員である民間人を退避させる警告が必要となります。

警告は非戦闘員を巻き込まない為でもあり「国際法を守った上での攻撃」と言う建前を一応は成立させている。

 国際法を守ると言う事は国際世論による批判を回避する意味もあるが交戦国に対しても国際法の順守を守らせる意味もある。

 それに都市を無差別攻撃して民間人を虐殺したと言う汚名を被ない為でもある。

 なのでターニャは野蛮な集団ではないと言ったのです。

 もしも戦時国際法に違反した場合は違反した軍隊が属する国の裁判所で裁かれる事になっています。